ちまちま枯れるの巻
 ちまちまは悩んでいました。
 どうしよう。
 枯れちゃうよ。
 どうしよう。
 妖透(ようすけ)さんに会えなくなっちゃうよ。
 いやだなぁ。
 でも、いつかは枯れてしまうのです。
 そして、種が出来て、新しいちまちまが生えてくるのです。
 でも、今のちまちまはこの一人(?)しかいません。
 かわいそう。
 でも仕方ないね。
 そんな、はかない命。
 ちまちまは、最後まで悩んでいました。
 そうだ! 最後は妖透さんの近くで枯れよう!
 そして、枯れかけて茶色なちまちまは、一生懸命ちまちま歩いて、妖透さんの近くまで歩いていきました。
 あっ、妖透さん!
 ちまちまは足を速めます。でも、ちまちまだからちまちま歩いています。
 ちまちまは妖透さんの足元まで来ました。
 そして……

 あ。

 ぱかっ!

 ついに枯れてしまいました。
 甲羅が割れて、丸々と太った種がいくつか転げ出ました。
 でも、大丈夫。
 枯れたちまちまは土に環って、新しい種の養分になるのです。
 そうして、ちまちまの命は永遠に続いていく……
 ……と、いいな。
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