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| みすじ叔父さんと、一緒に住むようになってから。 叔父さんがいることで、幾らか精神的には安定している。
毎日、という訳ではないけど、隣で眠る人がいて。 夢を見ることは、なくならなくても。 夢の中に来て呉れる人がいると、わかったから。 今迄よりは、眠ることを怖がらずに済んでいるだろう。
それでも、未だに、数週に一度は。 うわごとのように、謝罪の言葉を延々と吐きながら、真夜中に目を醒まして。 ひとり、かわやに駆けこんで、臓腑の中のものを、何もかも吐き尽くすのだろう。
同じように、数週に一度か、数ヶ月に一度かには。 静かで、穏やかな夜があって。 本人も、知らない位に、心身が落ち着いている時には。 眠りのさなかの、僅かなひとときにだけ。 『ひとらしい』色を、取り戻す事も、あるのだろう。
目を醒ますまでには、幻のように褪せてしまうから。 これを目にすることができるのは、隣で眠るひとだけだ。
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