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FUTA_S_02.png/278KB
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| 其の機影は、索敵に掛からなかった。
其の機影は、如何なる目視をも退けた。
其の機影は、何者にも捕捉されなかった。
其の機影は、真に、何者にも、捕捉されなかった。
其の機影は――
――六度の夜、退場を告げる案内人にすら、映らなかった。
七日目と共に、漸く。
其の機影 ≪ステルス≫
は、現れた。
----- 各所では(画像の形状の事もあり)『ステルス戦闘機』と呼ばれる事が殆どだったが。 プロフィール文章上での設定は『ステルス[航空機]』であり、最初から最後まで、戦わない想定でいた。
本来、ゲーム上では『First』に設定した武器は「絶対に外せない」ので。 完全な丸腰(無装備状態)に意図的になることはできないのだが。 初日の願い武器の消失以降、再生成は一切、行わずにいたので。 この『七日目の機体』は、ガチの丸腰であり。 一切の戦闘能力を持っていない。 プロフの通りに、戦闘機ではない、ただの飛べない『航空機』として、現れた。
六日目のアナウンスを潜り抜け、退場者処理が済んだあと。 俺は「賭けに勝ったぜ」とツイッヨしたのだが。 あれにも、複数、意味があった。
一つ目は、『六日目も名前を呼ばれないのか』。 正直、プロテクト待機状態で、アナウンス抜けができる自体は、把握されていたと思う。 それは、確か四日目に、プロテクトでのシャウトにブロック処理が入った点で、「脱落せずに残ってる奴がいる」というのは、解っていただろうから。 そのため、流石に最終日の人数が激減した中にぽっと湧いて活動を始めるのは不公平である、という判断で、普通に「脱落45+α」のα部分に名前を呼ばれて退場送りになるのではないか、という想定があった。 (ただ、後々のGM氏の言動を見るに、プロテクターズといえど会話ログを見る以上のことはしないはずだという、PLの良心を信じて排除自体を行わなかっただろう事も窺えるので、此れについても何とも申し訳の無い心境ではある)
二つ目は、ツイッタの方での『生き残りが4人以下になったら、他を全部退場扱いにします』というもの。 俺はこれについて【お菓子上位での死亡通過】【見えないプロテクト】【その他、生存ではない存在】をぜーんぶ含めた、『生存4名以外を全部退場させる』と解釈した。 なので、これに対して俺は「5人以上生き残ってくれ!!」と祈るだけだったが。 結果は皆、御存じの通り、8名が正規に最終日生存を果たした。
三つ目は……結局、生き残りが5人以上であっても。 『生存以外の全部の退場』処理がされるのではないか? という想定。 明示された人数の4名ではなかったとはいえ、なんせ8名だ。二桁を切ってる。 その中に(あの時に自分以外のプロテクトが何名居たか不明だが)わらわら湧いて出て来る可能性があるの、やっぱり野暮じゃないか。 そういう判断で、4名生存時と同じく退場送り処理が行われていても、何もおかしくはなかったし。
そうなったらそうなったで、「やっぱステルスだしな、見つからないまま退場もオツってもんだよ!」という気持ちもあった。 だって見つからないのが至上だよこいつ。
一応、あの間際の間際でも。 俺は俺なりの判断で、ステルス(プロテクト)解除するタイミングは選んだ。
あの機影が登場(Hideに移行)したのは、退場処理が行われた後ではなく。 退場の読み上げが終了した、直後、『おわかれの30分』の間。 「ダメに決まってんだろ!!」という判断が成されるのであれば。 お別れ30分後の『退場処理』の際に、シレっと追加で退場行きになって、最終日のキャラリストには残れない・残らないだろう。 この行為が、ステルス機のRPであるから、と判断されるか否か。 俺はその30分に、委ねたつもりでいた。
でも、その想定は全部、そうならなかった。 諸々の思惑と祈りを経た、30分後。 8人生存のリストには、9名表示されていた。
それが故の「賭けに勝ったぜ」だった。
『ステルス機』としてのRPは、もうその段階でパーフェクトだったのだが。 よもや、「まあいいでしょう」と案内人に名を呼ばれてKBF召集され。 名実ともに戦わない証明で丸腰(無装備)でいた航空機を、何の躊躇もなく最速で真っ先に襲撃・撃墜してくれたカルミアさんのお陰で、この『ステルス機』はパーフェクトのその上の至上のものになったと、俺は思っている。
飛べもしない、戦いもしない。 隠れるしかない存在が、その本懐すら捨ててしまったら。 残されているのは、『墜ちること』だけじゃないか。
其れゆえに、姿が見えた瞬間。 一番最初に狙って呉れたことは、RPとしても至上であったと思う。 それを実行したカルミアさんと、あの場に居る事を許してくださった他ならぬGMには、今を以て無限にお礼を言いたい。
あと、あの一連の流れが、一般的な『デスゲームのチュートリアル』(一か所に集められて説明を受けて「ええ……?」て参加者がざわついてる間に第一犠牲者が出る)の再現としても【完璧】だったし、その犠牲者役という美味しい役回りになれたこと、開幕死亡によって、結果的には本来の「6人」(2人は直前脱出したので)で滞りなく決戦へ流れが向かい、邪魔に成らずに済んだ事も、全部カルミアさんの開幕強襲のお陰によるものなので、「まず墜とす」という判断と共、実行してくださったことには、重ね重ねに無限の感謝が絶えない。
あの時、気を使った令嬢が、ブーケ脱出前に装備を貸してくれたりもしたが。 時系列的には普通に間に合わなかったし、前述の諸々もあって、間に合わなくて大正解だったとも思っている。 一応、借りたものに対して何もしないのは寂しい感じがしたので、『死亡後』に装備だけはした。
そんなこんな、色々あった『ステルス機』。 やはり、システム利用部分において、褒められたものでなく。 堂々とは、言えないので。
ここに細々と、綴っておくことにするのだ。
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